2018 年 87 巻 10 号 p. 749-753
2次元フォトニック結晶により実現した高Q値光ナノ共振器は,多くの研究者の興味を惹(ひ)きつけてきた.中でも,シリコンナノ共振器は,この15年余り,フォトニック結晶共振器の最高Q値を更新し続けたことにより,光エレクトロニクスの枠を越えて応用研究が進められている.現在では,1000万を超えるQ値が達成されているが,近年では,フォトリソグラフィを用いた大口径基板への大量作製においても,Q値200万が安定して得られている.今後は,さらに幅広い分野での利用が見込まれる.本稿では,この数年間になされたシリコン光ナノ共振器の超高Q値化について紹介する.