2018 年 87 巻 10 号 p. 754-758
磁性体と半導体の性質を併せもつ材料である強磁性半導体は,1990年代からIII‐V族ベースの(Ga,Mn)Asを中心に世界的に数多くの研究が行われてきた.しかし,20年以上にわたるMn系III‐V族強磁性半導体の大規模な研究にもかかわらず,デバイス応用の障害となるさまざまな問題が残っている.本稿では,新しい強磁性半導体として,鉄系III‐V族強磁性半導体の結晶成長,基本的な磁気特性をはじめとする物性を紹介し,鉄系強磁性半導体の特色を生かした半導体スピンデバイスへの応用について議論する.