半導体のドライプロセスでは,気相中で生成された活性種が輸送され,ウェーハ表面で反応します.その反応サイズは,気相でセンチメートル〜メートルオーダ,ウェーハ近傍の輸送領域でマイクロ〜ミリメートルオーダ,ウェーハ表面でナノ〜ミリメートルオーダと大きく異なります.こうした現象の計算には,気相反応,輸送,表面の反応モデルをそれぞれ構築し,モデル間のデータ受け渡し,あるいは練成計算するマルチスケールシミュレーションが最適です.本稿ではシミュレーションの概要を説明するとともに,酸化膜のドライエッチングでの計算例を紹介します.