2018 年 87 巻 3 号 p. 175-180
同じ電荷であっても,電子とイオンは電圧印加に対して異なる挙動を示す.電子は電位勾配に従って輸送され,定常的な電流が観測されるのに対して,イオンは電極近傍で再配列して電気2重層を形成し,過渡的な電流が観測される.近年,この2つの異種電荷を同時に利用することで,新たな機能素子を実現する技術「イオントロニクス」が注目されている.本稿では,筆者らが研究をしている電解質と半導体を組み合わせ,イオンの再配列によってpn接合を自発的に誘起させて発光するLight-emitting Electrochemical Cellについて述べ,高性能なだけではないユニークな発光素子の可能性について紹介する.