大気圧で生成される,低温プラズマ(活性粒子(電子,イオン,ラジカル,光)の集合体)の生体への照射によって,病原菌の滅菌,がん細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)誘起,皮膚疾患,傷病組織の治癒や生体組織の再生などに画期的な成果が報告され,プラズマの医療応用に関する研究が世界の新たな潮流になっている.さらに,プラズマによる植物や魚の驚異的な成長促進など,農水産分野への応用も展開されており,将来の食糧危機を解決する未来技術として注目されている.このような大気圧低温プラズマを用いたバイオ技術は,プラズマ科学と医学・農水産学と分子生物学の融合による新学際領域の科学(プラズマ生命科学)の確立によって,未来医療や新たな農業を創出することができる.