学習院大学 理学部化学科
2020 年 89 巻 3 号 p. 157-161
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2液混合反応は化学の中心的役割を果たす.その全貌を理解するには,混合の初期過程を含む測定が必要である.一方,直径数十µmの液滴は,時間・空間的な精密制御が可能である.また液滴は,高効率の光共振器として振る舞うことが知られている.筆者らはこれらの液滴の特性を利用し,液滴衝突に誘起される物理・化学過程観測のための共振増強分光法を開発した.本稿では,同法を用いて解析した,液滴衝突の過程で起こる微小突起や準安定界面の生成過程,液滴衝突化学反応,および衝突液滴中での高次ラマン散乱光の発生について述べる.
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