電流注入で駆動される無機半導体レーザーは小型軽量で低価格であることや変調が容易であることから通信や測定,光ディスクの読み書きなどさまざまな機器に応用されているが,新たな波長のレーザーの開発は容易ではない.その活性層を有機半導体に置き換えると,材料の設計自由度の高さからさまざまな波長のレーザーの開発が可能になると期待される.我々のグループでは有機単結晶電界効果トランジスタ構造を基にした電流駆動有機半導体レーザーの研究を行っている.本稿では,最近実現されたレーザー発振に起因すると考えられる発光スペクトルの利得狭帯化について紹介する.