2021 年 90 巻 6 号 p. 360-364
化合物半導体の中でも大きなバンドギャップを有する酸化ガリウムは,パワーデバイスや深紫外受光素子として研究が進んでいる.この酸化ガリウムは5つの結晶多形を有しており,そのうちβ相とα相に大きな注目が集まっているが,本稿では,そのほかのκ相とγ相にスポットを当てた.κ相は強誘電体特性を有しており,またγ相は5.8eVと大きなバンドギャップで格子整合しながら結晶成長が可能である.このκ相とγ相の結晶成長について,高品質化に向けて,化合物半導体の基礎である混晶と格子整合性という点に着目して紹介する.