応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
研究紹介
遷移金属カルコゲナイドナノチューブにおけるバルク光起電力効果
張 奕勁
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2022 年 91 巻 2 号 p. 91-95

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抄録

持続可能な社会の発展のためには半永久的に存在し続ける太陽光の活用は必要不可欠である.しかし,現在の太陽光発電に用いられている光起電力効果には,変換効率の理論限界が存在し,昨今急増しているエネルギー消費量に対応できない.そこで,新しい原理としてバルク光起電力効果が候補に挙がっている.この現象は長らくバルク強誘電体で研究されていたが,我々は遷移金属カルコゲナイドナノチューブを対象に研究を進め,ナノ物質において初めて,かつ高効率なバルク光起電力効果を観測した.今後,さまざまなナノ物質を対象としたバルク光起電力効果の研究が発展することが期待される.

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© 2022 公益社団法人応用物理学会
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