応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
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音波を用いた磁気回転効果
能崎 幸雄
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2023 年 92 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

強磁性体の磁化と回転運動が相互に交換する磁気回転効果は,磁性の起源を明らかにした物理学上最も重要な発見の1つである.しかし,ローターで実現できるkHz程度の回転が生み出す創発磁場は非常に小さく,その応用にはつながっていない.一方,固体表面を周期的な格子ひずみが伝搬する表面弾性波は,GHzオーダの超高速な格子点回転運動を内包するため,大きな磁気回転効果が期待されており,物質の磁化を制御する新たな手段として注目されている.本稿では,レイリー波と呼ばれる表面弾性波を用いた磁気の波(スピン波)の励起や,その反作用として現れるレイリー波の位相シフト現象について紹介する.さらに,格子回転運動の創発磁場が非磁性金属の電子スピン状態を非平衡化し,磁気の流れ(スピン流)を生み出すことや,その大きさがレイリー波の周波数に対して強い非線形性を示すことについても説明する.

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© 2023 公益社団法人応用物理学会
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