応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
研究紹介
プラズマ‐物質相互作用シミュレーション
核融合からナノテクノロジーまで
伊藤 篤史
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2023 年 92 巻 2 号 p. 94-97

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抄録

プラズマ‐物質相互作用現象とは,プラズマと固体表面の界面で起こる現象を指す.高エネルギーかつ低密度なプラズマによって固体表面にはナノメートルスケールの構造物が形成されやすく,ナノテクノロジーを支える技術である.核融合研究においても,反応生成物であるヘリウムプラズマが真空容器内壁のタングステン表面に繊維状ナノ構造を誘起することなど,プラズマ由来の固体表面のミクロな変化が重要な課題である.

このように,空間的にはミクロな変化に注目している一方で,変化が起こるまでのプラズマの照射時間は,秒から時間と非常に長い.もちろんおのおのの素過程はミクロな時間スケールで起こるものの,全体を解き明かすには,空間ミクロ・時間マクロという特殊な問題として捉える必要がある.このような観点から,プラズマ‐物質相互作用を数値シミュレーションで扱う難しさと魅力,将来へ向けての取り組みについて紹介する.

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© 2023 公益社団法人応用物理学会
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