2023 年 92 巻 6 号 p. 333-339
窒化物半導体は,現在,さまざまな発光色のLEDやレーザーの発光層に用いられている.しかしながら,緑色より長い波長で発光効率が低下していく問題,電流を増加すると発光効率が低下する問題などがあり,それらの現象を支配する発光再結合過程,非発光再結合過程の機構の解明が求められている.このためには,内部量子効率(再結合したキャリヤのうち,発光再結合したキャリヤの割合)を正確に測定することがまずは重要だが,これが意外に難しく,いまだにその測定手法を巡ってさまざまな議論がある.本稿では,窒化物半導体における発光・非発光再結合の機構や内部量子効率の測定手法に関する最近の進展について紹介したい.