2026 年 95 巻 5 号 p. 264-268
スキルミオンはトポロジカルスピン構造を有し極めて低い電流密度で駆動できるなどの特徴を持ち,次世代スピントロニクスへの応用が期待されている.その実空間での直接観察にはナノメートルオーダの空間分解能が求められ,さらに立体的構造を有するスキルミオン紐を知るためには3次元観察が要求されている.それに対し我々は高空間分解能を持つ透過型電子顕微鏡のローレンツ顕微技法および微分位相コントラストトモグラフィ法を駆使し,スキルミオン紐およびその融解過程の観察を行った.本稿ではこれらの手法によりスキルミオン紐の3次元ベクトル場をマッピングし,その融解過程を観察した結果について紹介する.