応用物理
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単一光子計数法によるピコ秒分光
櫛田 孝司木下 修一
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1983 年 52 巻 11 号 p. 920-930

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抄録

最も高感度な光検出法である単一光子計数法と,時間幅が狭く安定な高速繰り返しパルス光源とを組み合わせるピコ秒分光法は,きわめて微弱な光を対象とすることができる,時間分解能が高く測定精度も優れている,試料に損傷や大きな影響を与えない,非線形な効果や高密度励起効果などによる複雑さを避けることができる,測定を短時間で完了することができる,など多くの優れた特徴をもち,蛍光寿命の測定のほか,ラマン分光における蛍光の除表とか,光パルスの飛行時間の測定など,いろいろの応用面から最近注目を集めている.ここでは,この方法の原理と装置ならびにその特性について述べ,さらに半導体や生体などへの応用例について紹介する.

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© 社団法人 応用物理学会
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