第一原理に立脚した固体電子論に基づく計算は,半導体中の不純物を含むような系についても,その構造配置や電子状態を経験的パラメーターなしで,しかも高い精度で予測することを可能にした。このような電子状態の計算を基礎にし,データベースとエキスパート・システムを絶み合わせることにょり, 21世紀のエンジニアリングとしての「物質設計システム (MDS, Materials Design System)」を提案する.最近の半導体物理学における電子状態の計算の動向を踏まえ,物質設計の新しい概念と方法を解説する.