応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
生体磁気計測用酸化物超伝導磁気シールドの研究開発
高原 秀房星野 和友青野 正和太田 浩
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1990 年 59 巻 8 号 p. 1057-1064

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抄録

生体特に脳から発する極微弱磁場をSQUIDで検出し,脳内部を非接触で探るという学問研究および臨床研究においては,地磁気以下の低磁場もノイズの対象となる。これを下げるには強磁性磁気シールドでは十分ではない.特に脳磁気は低周波領域にあるが,この領域における強磁性磁気シールド効果は貧弱である.それゆえこの目的のためには超伝導磁気シールドに依らなければならない.ここでは酸化物超伝導容器を試作し,磁気シールド効果を測定した結果, 1×10-5~3×10-4T (T:テスラ) 10~1000Hzにおいて,外部磁場を6桁下げうることを報告する.これは特にMEG (Magnetoencepha-lography, 脳磁図)の手法に有効であるとみられる.

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© 社団法人 応用物理学会
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