応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
フラーレン科学の展開-その生成過程を中心として
阿知波 洋次
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1993 年 62 巻 10 号 p. 968-977

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抄録

炭素の新しい安定構造,フラーレンについて,その構造的特徴,成長機構を報告する.フラーレンと呼ばれる,5員環12個を含み,他を6員環からなる多面体型炭素分子は,サッカーボール型でよく知られるC60にとどまらず, C70, C76と原子数にして120個を優に超える大きさまで純物質として取り出されるに至っている.ここでは原子数10個程度の炭素クラスターから原子数100を超えるフラーレンまで,その分離法,構造的特徴を紹介するとともに,炭素原子同士が結合しながらフラーレン構造を形成する過程について新しい成長モデルを報告する.

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© 社団法人 応用物理学会
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