抄録
テーブルトップサイズの軟X線レーザーの実現は,レーザー研究者のみならず,多くの分野の方々から望まれている.しかし,現状ではその短波長化は,世界最大級のレーザーを用いてもエネルギーが足りないところまできている.今後,短波長化を進めるためには,新しい工夫が必要となっている.現状の方式での小型化は,可能であるか.新しい励起方式によるブレークスルーはありうるのか.一方,最近の超短パルス超高強度レーザーの進展は,原子分子の新しい非線形光学の領域を提供し,X線レーザーの開発の新しい方向を示唆している.本稿では,軟X線レーザーの小型化に関して,ひいてはそれが短波長化にも通じるのであるが,最近の動向について展望する.