1998 年 67 巻 2 号 p. 190-194
結晶中の微細析出物による赤外線レーザーの散乱光を光散乱トモグラフ装置を用いて非焦点面上で観察した.散乱体像は焦点面上では点状あるいは円状であり,形状の区別はできないが,非焦点面上では個々に特有の回折パタ-ンを示した.これらの回折像をフレネル回折近似を用いて表し,フーリエ変換すると散乱体の形状が得られる.シミュレ.ション結果と熱処理したSi結晶中の析出物への応用例をもとに,この方法(フーリエ変換光散乱トモグラフ法lFT-LST法)で数100nm程度の欠陥の形状が推定できることを示す.