抄録
光技術は超並列性という電子技術にはない特徴を有しているため,情報処理には魅力的である.このような並列光情報処理分野における新しい面型光機能素子として,三角バリア光スイッチ (TOPS) を提案する.この素子はn+i-δp+-i-n+の三角バリア構造からなるinGaAs/InAIAs系半導体を用いた一種の光電変換素子であり,アバランシェ増倍に起因するS寧型負性抵抗を有してにいる.この素子は光入カー電流出力特性において微分利得,双安定,ラッチという異なった機能をバイアス電圧を制御するだけで実現でき,かつ高感度,高利得という優れた特徴がある.さらに,この素子を用いた光入力によるAND,OR,XORの論理動作を実証した.本稿では本素子の原理,応用例について紹介する.