東京大学新領域創成科学研究科物質系専攻
2001 年 70 巻 1 号 p. 3-13
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冷却というペナルティーを越えるまでに技術が育ったとき,超伝導は急速に実用化に至る.ここ約10年,超伝導技術は生命科学,環境をはじめ,次世代の通信,交通運輸,電力システムに及ぶ広い分野に向けてポテンシャルを蓄え,あちこちで水面から顔を出そうとしている.これには,冷却技術の著しい進歩によるペナルティー・ラインの低下による寄与も大きい.本稿では,まず高温超伝導出現以来のここ約10年における超伝導関連技術の展開を概観し,次いで21世紀の社会環境の変化と超伝導技術のかかわりについて考察する.