半導体の微細加工技術はムーアの法則の破たんが言われ始め,新しいナノメートルサイズ微細加工技術が望まれている.そしてナノテクノロジー(NT)がその問題を解決できるものとして期待されている.一方,最近のバイオテクノロジーの進歩はめざましく,たんぱく質や口NAなどのナノメートルサイズの生体分子を取り扱うことが可能となってきている.そして,この生体分子の自己組織化がボトムアップナノ構造作製に利用できるのではないかという気運が高まりつっある.今,バイオテクノロジー (BT) とナノテクノロジー (NT) が出会い,融合しつつある.ここではBTとNTの融合に関係する研究例をいくつか紹介し,そのポテンシャルを示すと同時に,今後の両者の融合の課題を記述した.