日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-005
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3. 社会・文化
マッチングアプリの利用とリスクある性交との関連―成人のマッチングアプリ利用に関する研究(1)―
*松井 豊古村 健太郎
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抄録

近年の都市部では,梅毒の罹患者が急増しており,とくに,20代女性の罹患率の高さが注目されている。疫学研究(鈴木,2019)では罹患率とマッチングアプリの利用との関連が示唆されている。本研究では,マッチングアプリの利用経験とリスクのある性交経験との関連を検討し,マッチングアプリ(以下「アプリ」と略記)利用の心理的背景を検討することを目的としてWebパネル調査を行った。調査対象は,18~29歳の484名(男性239名,女性245名)であった。分析の結果,男女ともに恋人がいる人との性交,恋人以外の人との性交,見知らぬ人との性交の経験といったリスクのある性交経験は,アプリ利用経験がある場合に多かった。また,男性では金銭を支払った性交が,女性では既婚者との性交,首締めなどの危険な性交,金銭を受け取った性交,性病の感染経験が,それぞれアプリ利用経験がある場合に多かった。心理特性については,アプリ利用経験者は,賞賛獲得欲求やぬくもり希求の得点が高かった。リスクのある性交を基準変数とし,アプリ利用経験や心理変数を説明変数とする判別分析を行ったが,有意な係数を示したのはアプリ利用経験のみであった。

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