日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-015
会議情報

3. 社会・文化
援助要請者が知覚する援助者のコストが援助者選択に及ぼす影響
*古橋 健悟五十嵐 祐清河 幸子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本研究では,繰り返しの援助要請が必要な場面において,援助要請者の知覚する援助者のコストが援助者の選択に及ぼす影響を検討した。具体的には,援助要請者が援助者のコストを高く知覚すると,援助要請を行う人数および回数が抑制されると予測した。また,選択されるサポートの種類別の検討も行った。参加者は「仕事の問題」または「失職」に直面した場面を想定し,援助者の選択を行った。この際,求めた援助の種類(情緒的サポート・道具的サポート)を全て選択した。その後,援助要請を行っても問題が解決しなかった場面を想定し,援助者の選択を繰り返し行った。その結果,援助者のコストを高く知覚するほど,援助要請を行う人数および回数が抑制されるという予測に一致した結果が得られた。また,援助者のコストを高く知覚すると,情緒的サポートが選択されにくくなる一方,道具的サポートには有意な影響は見られなかった。以上より,援助要請者が援助者のコストを高く知覚すると,援助要請を行う人数および回数が少なくなり,特に情緒的サポートへの援助要請が抑制されることが示唆された。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top