日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-087
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3. 社会・文化
小学生におけるネットを通じた見知らぬ人との関わりの実態―SNS利用と援助要請,孤独感との関連性の検討―
*鈴木 千晴中山 満子
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キーワード: インターネット, SNS, 小学生
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抄録

2020年2月に,10校に在籍する小学校6年生639名を対象に,SNSの利用実態とネットを通じた見知らぬ人との関わり,父母・先生・学校の友達への援助要請と孤独感との関連性を検討した。

ネットを通じて見知らぬ人とコミュニケーションした経験があると答えた人は28.6%,会ったことがあると答えた人は1.9%いた。コミュニケーションをとる手段となったアプリはSNSでなくゲームであることが多い一方,見知らぬ人と会う手段となったアプリはTwitter,InstagramなどのSNSであり,コミュニケーションの経験がある人はゲームアプリの他にSNSも利用していることが多かった。

さらに,ネットを通じて知らない人と会ったりコミュニケーションしたりした経験がある人は両親への援助要請の度合いが低く,またネットを通じて知らない人と会ったりコミュニケーションしたりした経験がある人には,悩みがあるときに両親を相談相手として選択しないと答える人が多かった。

これらのことから,両親への援助要請に対してより強い抵抗を感じ,相談相手にできないと思っていることが,小学生がネットを通じて見知らぬ人と関わるきっかけとなっている可能性が示唆された。

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