日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PD-039
会議情報

4. 臨床・障害
遠隔カウンセリングにおいてシステムカウンセラーは相談者と信頼関係を築くことができるか
*田村 和弘徳永 清輝大武 美保子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

日本において,人の孤独やストレスによって心理・精神的に疲弊してしまう問題が顕在化してきた。この問題に対して人によるカウンセリングに従事している「カウンセラー」による心のケアの手法の1つとして傾聴が有効だが,ビジネスとして確立されていないことを背景にしたカウンセラー不足でだれもがケアをしてもらえない。そのため,人の代わりにシステムによりカウンセリングを担う「システムカウンセラー」によるケアが重要であると考えている。

傾聴は相談者との信頼関係を築く上で必要最低限かつ最も基本となる技法であり,それをシステムカウンセラーが担うことができるのか,実現可能性はあるのかという検討の余地がある。

システムカウンセラーの要素は,主にバーチャルリアリティ・エージェント,ロボットである。筆者が関わっているグループ会話,対話ロボットの実験を通じて得られた経験を基にこれらの要素について考察する。

この考察で知見が得られたあかつきには,病院や相談施設,学校や家庭などでシステムカウンセラーの利用でカウンセラーの負担を軽減し,相談者の孤独やストレスによる心理・精神的疲弊を解消することに貢献したい。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top