日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PD-071
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4. 臨床・障害
インターネット・ゲーム依存傾向の実態(4)―子どもの依存との関連―
*谷向 みつえ島井 哲志宇惠 弘久保 信代
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抄録

インターネット依存が疑われる中高生は14.2%,93万人と推計されている(尾崎ら,2019)。中高生のゲーム依存の背景には家族関係が示唆される(橋本ら,2020)ことから,ここでは中学生以下の子どものネットとゲーム依存傾向に及ぼす母親のネットとゲーム依存の影響を検討した。子どものゲーム依存得点を,上下25パーセンタイル値を基に,高群(26.0%),中群(31.5%),低群(42.5%)の3群に分け,母親の休・平日のネットとゲーム利用時間,ゲーム依存得点,ネット依存得点,成人愛着スタイル尺度を分散分析で比較したところ,愛着の回避を除いて何れも有意な主効果がみられ,子どものゲーム依存の高群は他群よりも,母親のゲームとネット依存得点,不安得点が高く,休・平日のゲームとネット利用時間が長いことが示された。一方,子どものネット依存傾向も同様に3群に分けて比較したところ,高群は母親のネットとゲーム依存得点,不安得点が他群よりも高いが,休・平日のネットとゲーム利用時間に主効果は見られなかった。子どものゲーム依存を従属変数とした重回帰分析(ステップワイズ法)の結果,母親のゲーム依存(.363)とネット依存(.276)が説明変数に採用された。

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