主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
インターネット依存が疑われる中高生は14.2%,93万人と推計されている(尾崎ら,2019)。中高生のゲーム依存の背景には家族関係が示唆される(橋本ら,2020)ことから,ここでは中学生以下の子どものネットとゲーム依存傾向に及ぼす母親のネットとゲーム依存の影響を検討した。子どものゲーム依存得点を,上下25パーセンタイル値を基に,高群(26.0%),中群(31.5%),低群(42.5%)の3群に分け,母親の休・平日のネットとゲーム利用時間,ゲーム依存得点,ネット依存得点,成人愛着スタイル尺度を分散分析で比較したところ,愛着の回避を除いて何れも有意な主効果がみられ,子どものゲーム依存の高群は他群よりも,母親のゲームとネット依存得点,不安得点が高く,休・平日のゲームとネット利用時間が長いことが示された。一方,子どものネット依存傾向も同様に3群に分けて比較したところ,高群は母親のネットとゲーム依存得点,不安得点が他群よりも高いが,休・平日のネットとゲーム利用時間に主効果は見られなかった。子どものゲーム依存を従属変数とした重回帰分析(ステップワイズ法)の結果,母親のゲーム依存(.363)とネット依存(.276)が説明変数に採用された。