日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PD-158
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4. 臨床・障害
ポジティブ心理学的介入が大学生のメンタルヘルスと自律神経に及ぼす影響
*三浦 佳代子
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抄録

目的:大学生のメンタルヘルスケアとしてのポジティブ心理学の応用可能性を検討するために,ポジティブ心理学の代表的な介入手法である“3つの良いことエクササイズ”によって生じる心理生理学的な変化を心理学的指標である種々の質問紙,生理学的指標である自律神経機能検査によってとらえ,ポジティブ心理学的介入の効果を多角的に検証することを目的とした。

方法:大学生29名を介入群15名と待機群14名に割り付けし,介入群には“3つの良いことエクササイズ”を1週間実施した。介入効果を検討するため,気分状態,ポジティブ・ネガティブ感情,楽観性,自律神経機能を測定した。各指標の測定は,介入開始前後と介入終了後1か月の合計3回実施した。

結果と考察:群と測定時期を独立変数,各指標を従属変数とした二要因分散分析を実施した。結果,介入群は待機群に比べPOMSにおける「活力・活気」の上昇,「緊張・不安」「混乱・当惑」の低下,ポジティブ感情の上昇などがみられ,ポジティブ心理学的介入は,大学生のメンタルヘルスケアとして有効であることが示唆された。発表当日,自律神経機能の解析結果についても報告する。

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