日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PD-157
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4. 臨床・障害
LINEを用いた非即時型の相談における枠組の重要性に関する考察
*中村 洸太
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抄録

2017年に長野県で2週間の実施期間に寄せられたLINEを用いた相談件数が,同県の前年度の電話相談件数を大きく上回ったことを機に,多くの自治体でLINEを用いた相談が提供されるようになった。多くの自治体で提供されているのは,即時型相談の提供であるが,日常におけるLINEの活用は即時型ばかりではない。今後,非即時型の相談の提供も充実することで,より支援の幅を広げることが可能となるとも考えられる。また,2020年1-2月以降の新型コロナウイルス感染症拡大により,対面での支援が困難になり,オンラインにおける支援のニーズが急速に高まり,遠隔における相談体制の充実を図っていくことの重要性も高まってきている。本研究では,2018年に実施した88名139ケースの非即時型相談の傾向を考察することで,LINEを用いた相談の傾向を掴み,提供する上で重要な視点を整理することを目的とする。利用者の多くは10代20代で,女性が7割を超えた。相談は21時から23時に送られてくることが多く,2割程度の相談において希死念慮が話された。本研究により,LINEを用いた相談を実施する際には,対象者の想定を含めた相談の枠組の設定が重要であるということが示唆された。

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