主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
本研究は第1種少年院(支援教育課程Ⅱ)の在院者9名を対象に週1回50分(計6回),在院者6名を対象に週2回50分(計6回)の集団認知トレーニングによる介入を実施し,実施頻度が異なる各群の認知機能の変化に差が見られるかを明らかにした。集団認知トレーニングのプログラムは,宮口(2015)より「記憶」「言語理解」「注意」「知覚」「推論・判断」の5領域に対応する課題を選択した。介入(前後)と実施頻度(週1回もしくは2回)を独立変数とし,従属変数を認知機能検査(DN-CAS)の結果とする2要因(2×2)の分散分析(混合計画)を行った。その結果,介入の主効果はDN-CASの下位検査であるプランニングF(1,13)=19.72,同時処理F(1,13)=10.46,注意F(1,13)=28.67,全検査F(1,13)=36.29において1%水準で有意であり,継次処理においては10%水準で有意であったF(1,14)=4.01。一方,全ての下位検査と全検査において,実施頻度の主効果,介入と実施頻度の交互作用は見られなかった。これらの結果から,計6回の認知トレーニングであっても,介入前後で認知機能に変化が生じ,また,介入前後の認知機能の変化の大きさは週1回と2回では差が見られないことが明らかになった。