日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PE-014
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5. 犯罪・非行
少年院支援教育課程における集団認知トレーニングの効果―実施頻度による効果の違い―
*中村 有里藤田 晃後藤 英光伊藤 雅子
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抄録

本研究は第1種少年院(支援教育課程Ⅱ)の在院者9名を対象に週1回50分(計6回),在院者6名を対象に週2回50分(計6回)の集団認知トレーニングによる介入を実施し,実施頻度が異なる各群の認知機能の変化に差が見られるかを明らかにした。集団認知トレーニングのプログラムは,宮口(2015)より「記憶」「言語理解」「注意」「知覚」「推論・判断」の5領域に対応する課題を選択した。介入(前後)と実施頻度(週1回もしくは2回)を独立変数とし,従属変数を認知機能検査(DN-CAS)の結果とする2要因(2×2)の分散分析(混合計画)を行った。その結果,介入の主効果はDN-CASの下位検査であるプランニングF(1,13)=19.72,同時処理F(1,13)=10.46,注意F(1,13)=28.67,全検査F(1,13)=36.29において1%水準で有意であり,継次処理においては10%水準で有意であったF(1,14)=4.01。一方,全ての下位検査と全検査において,実施頻度の主効果,介入と実施頻度の交互作用は見られなかった。これらの結果から,計6回の認知トレーニングであっても,介入前後で認知機能に変化が生じ,また,介入前後の認知機能の変化の大きさは週1回と2回では差が見られないことが明らかになった。

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