日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PE-028
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5. 犯罪・非行
道徳判断が迷惑行為へのクレームに及ぼす影響
*黄 景逸阿部 恒之
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抄録

目的

SNS上で他者の行為を過剰に非難する,いわゆるネット自警団,Social Justice Warriorが問題になっている。このような他罰的な態度と,Haidt(2012)の道徳基盤理論の関連性を検討した。

方法

<調査対象・調査手続き>2020年2月インターネット調査を行った。都市圏と非都市圏の居住区(2),20-60代の各年代(5),男女(2)でセルを構成し,各セル206名×2×5×2,計4,120名から回答を得て,全てを分析対象とした(平均年齢44.9歳・SD:13.8)。

<測度>①クレームへの態度:10件のクレーム対する共感度を0-5の6件法で質問した。②道徳基盤質問紙:Haidt(2012)の和訳版5尺度30項目につき,0-5の6件法で質問した。

結果

10件のクレームへの態度を目的変数として,居住区・年代・性を第一階層,道徳基盤質問紙の5尺度を第2階層の説明変数とする重回帰分析を行ったところ,クレームごとの特徴が認められた。

考察

他者行動への非難傾向は,環境や年齢・性の影響を受けるとともに,道徳的基盤の様々な側面の影響を受けることが示唆された。

※本研究はJSPS科研費JP17H02259の助成を受けて行った。

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