主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
本研究の目的は就学前の直音音読流暢性が,1年12月時点の単音音読流暢性を予測するか検討することである。【方法】就学前2月から追跡している74名(男性40名,女性34名)を分析対象とした。就学前2月に,音韻情報処理機能を測定するため,3-9モーラの非語復唱課題,Rapid Automatized Naming (RAN) 課題(宇野ら,2017),音読流暢性を測定するため,関ら(2016)が作成した直音音読課題を実施した。また就学後12月時点の音読流暢性の指標として,単音音読課題を実施した。【結果】1年12月時点での音読流暢性を就学前に予測可能か検討するため,従属変数を12月時点の単音音読成績,独立変数を就学前2月の直音音読成績,非語復唱正答数,RAN所要時間,月齢とした,重回帰分析(ステップワイズ法)を実施した。単音音読流暢性(1年12月時点)を有意に予測した因子は直音音読流暢性(β=.667, p<.001, R2 change=.579)とRAN(β=-.198, p=.021, R2 change=.03)であった。【考察】就学前の直音音読流暢性が,就学後の単音音読流暢性の強い予測因子であることが示唆された。