日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PE-029
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5. 犯罪・非行
日本の小学1年生における単音音読流暢性を就学前に予測可能か?―日本における発達性ディスレクシア早期発見,早期介入のための予備的検討―
*蔦森 英史
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抄録

本研究の目的は就学前の直音音読流暢性が,1年12月時点の単音音読流暢性を予測するか検討することである。【方法】就学前2月から追跡している74名(男性40名,女性34名)を分析対象とした。就学前2月に,音韻情報処理機能を測定するため,3-9モーラの非語復唱課題,Rapid Automatized Naming (RAN) 課題(宇野ら,2017),音読流暢性を測定するため,関ら(2016)が作成した直音音読課題を実施した。また就学後12月時点の音読流暢性の指標として,単音音読課題を実施した。【結果】1年12月時点での音読流暢性を就学前に予測可能か検討するため,従属変数を12月時点の単音音読成績,独立変数を就学前2月の直音音読成績,非語復唱正答数,RAN所要時間,月齢とした,重回帰分析(ステップワイズ法)を実施した。単音音読流暢性(1年12月時点)を有意に予測した因子は直音音読流暢性(β=.667, p<.001, R2 change=.579)とRAN(β=-.198, p=.021, R2 change=.03)であった。【考察】就学前の直音音読流暢性が,就学後の単音音読流暢性の強い予測因子であることが示唆された。

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