主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
我々の聴覚系は,耳への入力を知覚的体制化により意味のある刺激として認識する仕組みを持つ。体制化が刺激の知覚処理を促進させることは知られているが,それが我々の行動に与える影響は分かっていない。本研究では,一定間隔で提示される音に合わせてタッピングをする同期課題を用いて,刺激の体制化が同期精度に与える影響と,刺激の提示間隔の効果を検討した。
実験では C5, E5, G5 の音を用いて,C5 を4種類のSOA (600, 900, 1200, 1500 ms) いずれかで繰り返す統制音列と,CEGのパターンを繰り返す反復音列を作成した。反復音列では各音の提示間隔をSOAの1/3として同じ音の提示間隔がSOAと同等になるように設定し,どの音に合わせてタッピングするかは試行ごとに疑似ランダムに決定された。音提示とタッピングの平均時間差と標準偏差を音列間で比較したところ,時間差による違いは見られなかったが,900 ms以上のSOAではCEGすべての音で統制音列よりばらつきが小さかった。600 ms SOAでは逆にEとGで統制音列より大きなばらつきが見られ,提示間隔依存的な体制化の影響が示唆された。