日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PI-027
会議情報

9. 認知
課題リズムの揺れに伴うチョーキングと認知制御の二重過程(1)―AX-CPT70による検討―
*須藤 智鷹阪 龍太安久 絵里子原田 悦子
著者情報
キーワード: Choking, Cognitive control, AX-CPT
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

時間制限や情動喚起によるチョーキング状況が認知制御を妨害することが報告されている(Beilock & Carr, 2001等)。本研究では,認知制御の二重メカニズム(Braver, 2012)の観点から,時間制限によるチョーキングによるプロアクティブ・リアクティブ制御への影響をAX-CPT70 を用いて若年者対象のオンライン実験で検討した。実験1(43名)では,チョーキングの誘発としてCue-ProbeのISIが5sのSingle条件ブロックの後,5sと 1s のISIがランダムなMix条件ブロックがでる課題リズムの揺れを設定された。この手続きでは,長ISI(5s)に慣れた後,突然出てくる短ISI(1s)でチョーキングが生じる。実験1の結果,偽試行(AY,BX試行)においてmix条件の1s試行での正答率低下が認められた。実験2(32名)では,Single条件ブロックのISIを 1s とする以外は実験1と同様の手続きを用いた。実験2の結果,AY,BX試行ではmix条件の 1s と 5s 試行の間に正答率の違いは認められなかった。以上からは,課題リズムの揺れによってチョーキングが誘発されること,チョーキングによる主たる目標情報(AX反応)が,頑強に維持・出力されるというプロアクティブ・リアクティブ制御の妨害効果が示唆された。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top