主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
視覚は人間の最も重要な情報獲得源の一つである,われわれの目はつねに膨大な情報が入力され続けている。だけど我々はそのすべての情報を処理しているわけではない,認知システムが情報を優先順位で処理している,それが選択的注意と呼ばれている。人間の認知過程において,暗黙的学習と記憶は空間的注意をガイドする。一定の背景色に書かれた文字を読むとき,背景色と文字の色のコントラストが低下すると,人間の黙読時間と注視時間が長くなり,サッカードが小さくなる傾向が得られた。さらに,違う色は異なる心理表象を起こす,色彩刺激を呈示された時,トップダウン処理が常に関与していることが示された。赤が提示された時,人は「危険」あるいは「ミスティック」に関わる内容に敏感になる。その反対に,ブルーが提示された時,多くの人は「開放性」,「平和」或いは「安全」に関わる内容に敏感に反応する。
本研究ではどんな背景色の配置が一番効率よく観察者の注意を引かれるのかを検討する。アンケート調査,視覚探索課題などの実験を用いて,色の情報と文字情報が一致する場合,人間が文字に対する注意傾向が一番著しいという結果を得た。