日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PI-047
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9. 認知
fWHRを指標とした顔の形状とパーソナリティとの関連
*田中 千波
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抄録

顔はその人に関する様々な情報を保持する。しかし実際に顔のどのような特徴が性格特性に寄与をしているのだろうか。Carré & McCormick (2008) はfacial width-to height ratio (以下,fWHR) を指標とし,性格特性との関連を明らかにした。しかしfWHRについては未だ日本での研究事例が不十分である。そこで本研究では先行研究の再現性を確かめると共に,fWHRの文化的な比較を目的としている。参加者は31名であった。カメラを用いて顔写真を撮影し,攻撃性,DarkTriad,TIPI-Jの3つの質問紙に回答を求めた。fWHRの値と各質問紙の得点間の相関分析を行った。その結果,fWHRと攻撃性(r=.35, p=.06),fWHRとMachiavellianism(r=.37, p<.05)との間に相関が見られた。一方で,PsychopathyやNarcissism,TIPI-Jの各項目においては有意な相関は見られなかった。本研究では先行研究の再現性について改めて検討を行ったところ,一部支持する結果が得られた。fWHRがパーソナリティ判断の指標の1つであることが示されたと同時に,fWHRという指標が日本においても有効であることが明らかとなった。今後は,fWHRによる印象への影響,及びパーソナリティとの関連について検討を行うことを想定している。

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