日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PI-075
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9. 認知
日常場面における音楽の無意図的想起―日誌法による探索的検討―
*田中 吉史加藤 慶治郎
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キーワード: 音楽, 無意図的想起, 日誌法
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抄録

本研究では,日常場面において音楽の無意図的想起が生じる状況と,想起される楽曲の特徴について,日誌法を用いて探索的に検討した。大学生13名が調査に参加し,3週間にわたって,日常生活の中で音楽の無意図的想起が生じたら,できるだけその場で,想起した時刻,想起時に何をしていたか,想起した楽曲のタイトル・アーティストなどの情報,その楽曲を最後に聴いた時期,想起時の気分(感情価[快-不快],覚醒度,各5段階)等について,オンライン調査票に入力してもらった。また,日誌報告期間の終了後,各参加者が想起した個々の楽曲について感情価評定(AVSM;谷口,1995)を行ってもらった。結果として,全体で(のべ)147曲の想起が報告された。音楽の無意図的想起は,家事など日常的なルーティン(36%),移動やその準備(22%)の他,勉強など集中を要する状況(20%)においても見られた。想起時の気分は,覚醒度が「どちらでもない」から高覚醒で80%,感情価は「どちらでもない」-「快」で90%を占めていた。また,想起楽曲は想起前の1日以内に実際に聴取されたものが最も多く(41%),感情価に関しては全体に高揚性,親和性が高かった。

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