主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
本研究は,ラットの0.15%サッカリン溶液と32%スクロース溶液に対する選好における加齢および食餌制限の効果を検討した。ラットを実験開始時の週齢に応じて老齢群(n=11),中齢群(n=13),若齢群(n=12)の3群に分けた。サッカリン溶液-水を提示する2ボトル試行,スクロース溶液-水を提示する2ボトル試行,およびサッカリン溶液-スクロース溶液-水を提示する3ボトル試行の3試行を実施した。1試行は48時間であり,24時間で各溶液と水(2ボトル試行),またはサッカリン溶液とスクロース溶液(3ボトル試行)の提示位置を交替した。これらの3試行を自由摂食下と1日に1時間の摂食機会を与える食餌制限下で実施した。食餌制限の有無に関わらず,老齢群と中齢群の3ボトル試行のみスクロース摂取量がサッカリン摂取量よりも多かった。また,老齢群と中齢群におけるサッカリン摂取量は食餌制限条件の方が多く,若齢群は自由摂食条件の方が多かった。食餌制限によりスクロース摂取量の絶対値はほとんど変化しなかった。これらの結果は,加齢あるいは食餌制限によって,サッカリン溶液と比較した場合のスクロース溶液への選好が相対的に増加することを示唆するものである。