日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PO-025
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15. 発達
子どもが認知した夫婦間交流尺度作成の試み
*廣瀬 愛希子濱口 佳和
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キーワード: 夫婦関係, 青年, 抑うつ
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抄録

発達研究において,夫婦関係は子どもの発達にかかわる重要な要因として位置づけられている。夫婦関係の子どもの発達への影響性の研究は,夫婦間葛藤の影響に着目して研究が行われてきた。しかし近年,夫婦間葛藤の影響だけではなく,夫婦関係のポジティブな側面も検討する必要があると指摘されている(Vaez, et al., 2015)。そこで本研究は,夫婦関係のポジティブな側面として夫婦間の交流を取り上げて,子どもが認知した夫婦間の交流が子どもの適応へ与える影響を検討するため,子どもが認知した夫婦間交流尺度を作成することを目的とした。本発表では,現時点で収集したデータの分析結果を報告する。方法は質問紙調査であり,分析対象は,12~17歳の中高生591名(平均年齢14.99歳,SD=1.31)であった。その結果,子どもが認知した夫婦間交流尺度は「夫婦間サポート」と「日常的交流」の2因子構造が採用された。また,関連変数との相関分析の結果,夫婦間交流の程度の高さは,夫婦間葛藤の深刻の程度の低さ,家族の居心地の良さの高さおよび,抑うつの低さと関連することが示された。今後もデータ収集を行い,検討を続ける予定である。

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