日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PO-031
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15. 発達
結婚前の若者が出産に影響を与える要因
*柿原 久仁佳
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抄録

問題と目的

本研究においては,高校卒業後2年以内の若者の,乳児を抱いた経験,自尊心及び育児に対するイメージが,将来の希望子ども数に与える影響を検討する。

 

方法

(1)対象

18才~20才の若者333名(男性137名 女性196名)

(2)質問紙の内容

子ども希望数,乳児を抱いた経験,交際経験,Rosenbergの自尊心尺度日本語版(星野,1970),礪波(2011,2012)を参考に保育関係者の意見を聞いて作成した育児イメージに関する17項目

 

結果と考察

自尊感情得点や乳児を抱いた経験及び交際経験が希望子ども数によって差が見られるのかそれぞれ分散分析をおこなったところ,自尊感情(F(3,326)=7.91, p=.000, η2=.07)と乳児を抱いた経験(F(3,327)=7.80, p=.000, η2=.07)の効果が見られ,多重比較の結果,自尊感情の高さや乳児を抱いた経験の多さが,希望子ども数の多さに影響を与えていることが示された。また,交際経験ある方が,希望子ども数が多いという結果であった(t(256)=2.11, p=.036, r=.13)。

さらに,育児肯定因子(F(3,326)=17.30, p=.000, η2=.14)の効果が見られ,多重比較をおこなったところ,肯定的な育児イメージが希望子ども数に影響を与えることが示された。

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