日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PO-035
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15. 発達
学齢期の子どもをもつ母親の育児における困難についての検討
*井梅 由美子
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抄録

昨今,子育て支援の必要性は周知のこととなり,母親の育児不安や育児支援についての研究は多くなされている。しかしながら,これらの研究では主に乳幼児をもつ母親を対象としており,学齢期以後の子どもを育てている母親についての研究は少ない。そこで本研究では,学齢期の子を持つ母親300名を対象にオンライン調査を実施し,夫,実母,友人からのサポート,育児不安,非統制的養育態度,母親の幼少時の親子関係,子育てにおける様々な場面別(生活リズム,食事習慣,お子さんの友だち関係,学習習慣等)の母親の困り感等を聞いた。子育ての困り感について,子どもの性別と年齢によって差があるかを検討した結果,「食事の習慣,しつけ」,「子の学校でのトラブル」他4項目で全て男子の得点が高かった。また,非統制的養育態度に影響する要因について,育児不安の下位尺度,幼少期の親子関係,夫/母/友人サポート,子の人数,性別,困り感を説明変数とし,重回帰分析(強制投入法)を行ったところ,育児不安の「苛立ち」因子が高く,困り感が強いほど非統制的養育態度得点が高くなることが認められた。

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