日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PO-076
会議情報

15. 発達
大学生が高齢者から教わりたいことに関する検討
*河野 理恵小野寺 敦子元井 沙織
著者情報
キーワード: 大学生, 高齢者, 継承
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

現在の我が国には,様々な知識や技術・技能,経験などをもつ高齢者が数多く存在する。本研究では,若年者が高齢者からどのようなことを教わりたいと考えているのかを明らかにすることを目的とする。

首都圏の大学生89名に質問紙を用いて調査を実施した。性別,年齢などの属性を聴取後,「高齢者から学びたいと思うところはどのような点ですか」について,自由記述式で回答を求めた。

得られたスクリプトデータの中から,大学生が高齢者から学びたいところを示していると判断された具体的箇所を抽出し,カテゴリを作成した。10名以上の回答者から当てはまる記述箇所が抽出された7つのカテゴリを最終的に採用した。次に数量化理論Ⅲ類を行い,2軸を採用した。すべてのカテゴリスコアに対し,Ward法によるクラスタ分析を行った結果,第1クラスタには「知恵」「伝統」が含まれ,「蓄積されたもの」と命名した。第2クラスタには「人生経験」「家庭生活」「人との付き合い方」が含まれ,「人生の過ごし方」と命名した。第3クラスタには「健康」「歴史」が含まれ,「生きること」と命名した。

本研究の結果から,若年者が継承を求めている内容を理解することができたと考える。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top