日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PP-011
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16. 教育
大学生の学習意欲の時間的推移と学校生活に対する満足度指標との関連の検討
*武蔵 由佳
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抄録

本研究は,大学生の学習意欲の縦断的な変化を把握すること,学校生活満足度指標の影響を検討することを目的とした。調査対象は,A大学2学部4学科の201X年度入学生231名(男子96名,女子135名)である。調査時期は,201X年7月(Time 1),201X+1年3月(Time 2),201X+2年3月(Time 3)であった。大学生に「Hyper-QU (大学生版)(河村,2010)」中の学校生活意欲尺度を行った。大学1年生前期,1年生後期および2年生後期のオリエンテーション時に用紙を配布し,学生の同意を得て実施した。Time 1~3 の学習意欲について「切片」と「傾き」を潜在変数とする一次の潜在成長曲線モデルを仮定し,切片と傾きの推定を行った。結果,学習意欲は時間の経過とともに減少していた。3時点の学習意欲の切片と傾きに対する学校生活満足度指標の影響を調べるために,Time 1~3 の学校生活満足度尺度の下位尺度(承認得点,被侵害・不適応得点)から,学習意欲の切片と傾きへのパスを仮定し分析を行った。結果,Time 1(1年生前期)の承認得点は学習意欲低下の継続につながり,Time 3(2年生終了時)の承認得点は学習意欲低下の解消につながることが明らかになった。

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