日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PP-012
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16. 教育
教職科目「道徳の指導法」の中の「道徳授業の教授法」に関する講義方法に関する研究―講義型か,あるいは参加型か?―
*藤澤 文
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抄録

本研究では,教職課程の大学生217名を対象として,教職科目「道徳の指導法」の中の「道徳授業の教授法」の回において,「考え,議論する」道徳授業の実施を目標とした複数の異なる講義を行い,受講者の受講前後の道徳授業理解について検討した。講義に先立ち,道徳授業理解に関する尺度を作成し,最尤法・バリマックス回転を用いた因子分析を実施した。その結果,「教授法」,「教具」,「多様性」,「ジレンマ」の4因子が得られた。続いて,5条件(参加型・教材説明なし・4人討論,参加型・教材説明あり・4人討論,参加型・教材説明あり・2人討論,参加型・教材説明なし・2人討論,講義型)に対し,受講前後に本尺度を実施した。受講前の得点を統制し,共分散分析を実施した結果,条件により,尺度得点に差は見られなかった。しかし,いずれの条件も,受講前よりも受講後において高得点となっていた(教授法:F(1, 212)=144.0,p<.001;教具:F(1, 213)=139.2,p<.001;多様性:F(1, 215)=66.0,p<.001;ジレンマ:F(1, 216)=75.7,p<.001)。以上の結果より,講義種類による道徳授業理解に差はないが,受講により理解が深まっていることが示唆された。

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