日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PP-013
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16. 教育
大学生の社会人基礎力養成にアルバイト経験が及ぼす影響
*武藤 麻美松浦 軒厚
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抄録

経済産業省(2006)は,大学生に求めるスキルとして「社会人基礎力」を挙げている。これは,職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力をいい,3つの能力と12の能力要素から成る。具多的には「前に踏み出す力」,これは主体性,働きかけ力,実行力などの能力要素をいう。次に「考え抜く力」,これは課題発見力,計画力,創造力をいう。そして「チームで働く力」,これは発信力,傾聴力,柔軟性,情況把握力,規律性,ストレスコントロール力をいう。大学におけるキャリア教育でも社会人基礎力の養成に力を入れているが,座学やインターンシップにおける学修だけでなく,実際のアルバイト経験が,大学生の社会人基礎力の養成に寄与していることも考えられる。そこで本研究では大学生のアルバイト経験の有無やその在職期間,職種や上司との関係性等によって,大学生の社会人基礎力の高さに違いが見られるかを検討した。大学生45名を対象に質問紙調査を実施した結果(男性34名,女性11名;年齢:M=19.82,SD=1.57),在職期間が長くなるほど社会人基礎力も高くなり,特に「考え抜く力」「チームで働く力」においてスキルが向上することが示された。

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