日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PP-043
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16. 教育
大学生の退学はどのように予防できるのか?(2)―退学意図低群と中・高群との弁別要因―
*小浜 駿高田 治樹菊地 学
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抄録

連番発表(1)に引き続き,退学意図に影響を与える心理的要因について検討を行った。web調査を介して,全国の大学生825名について,心理的wellbeing,大学への帰属意識,ソーシャルサポート,これまでの人生における失敗経験と成功経験,なまけ行動,性,偏差値について測定を行った。

退学意図が低い者(退学意図低群439名)とそうでない者(退学意図中・高群386名)を分ける要因を探索するため,決定木分析を実施した。ランダムフォレストによって決定木分析の結果に大きな影響を与える要因を探索した結果,なまけ行動における「先延ばし」下位尺度とソーシャルサポートにおける「親からのサポート」下位尺度の正確度およびgini係数が高かった。そこで,これら2つの変数で2群(低群vs.中高群)を分類する決定木分析を実施した。

決定木分析の結果,まず「先延ばし」が極端に高い場合において,退学意図が抑制されることが示唆された(14名のうち低群13名,中高群1名)。残り811名の分類では「親からのサポート」が低く,「先延ばし」が低い場合には退学意図が高い学生が多くなることが示された。

注記)本研究は,2019年度佐藤弘毅記念教育研究助成金を受けて行われた。

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