日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PP-086
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16. 教育
中学校における金融教育の実践後の金融・経済意識―メタ認知に着目して―
*室町 祐輔上市 秀雄
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キーワード: 金融教育, メタ認知
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抄録

中学校における金融教育において養う必要のある能力として,自分の暮らしやモノ,サービスについてお金の視点で捉える力がある。本研究の目的は,中学校で実施された実践的金融教育において,実践後の生徒の金融・経済に対する意識とその内容に影響を与える要因についての検討である。質問紙法により,金融教育において経験した金融・経済に関する意識を問う質問2項目(自由記述),意識に影響を与える要因としてメタ認知(自己の経験を振り返り,理解し,自己を制御することに関する認知)に関する14項目(5件法)で尋ねる調査を実施した。分析対象は関東圏内の中学校の生徒327名である。まずはじめに,自由記述の内容をコスト視点やサービス視点など観点別に分類した。その結果,財の価格に関する質問に対して5項目(コスト視点,商品視点など),財の販売に関する質問に対して7項目(コスト視点,プロモーション視点など)に分類した。次に,自由記述の観点の違いを説明するために,メタ認知との関連を検討した結果,メタ認知得点が高い人ほど多数の視点を含む傾向があることが示唆された。

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© 2020 公益社団法人 日本心理学会
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