主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
近年,SNSを含む,ネットワークを介した意見交換の結果として,利用者の考え方が極端な方向へシフトする可能性が指摘されており,情報教育においては,学生・生徒の,バランスの良い思考力・判断力を培っていくことが重要となる。しかしながら,実際の授業場面において,どのようなところに焦点をあてた授業を展開していけばよいのかというさじ加減は難しいのが現状であろう。そこで,本研究では,極性化現象が生じやすいと考えられている排外主義的態度に焦点を当て,同スコアと関連しそうないくつかの心理要因を特定することで,情報教育における授業指針を探るための判断材料の提供を試みる。
関心対象となる独立変数として検討されたものは,性別(男・女),ニュースメディア重要視指数(ツイッター・匿名掲示板・まとめサイト),同調(情報的同調・規範的同調),批判的思考能力(論理的思考,探求心,客観性,証拠の重視)であった。排外主義的態度スコアを従属変数とした重回帰分析を実施したところ,性別,情報的同調,探求心,客観性において関連が認められた。この結果は,情報教育の現場において,これらの要因に対応した教育の実施が重要であることを意味する。