日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PR-008
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18. スポーツ・健康
観客の有無による打者のパフォーマンスへの影響―プロ野球オープン戦の無観客試合を手がかりに―
*安部 健太
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抄録

プロ野球のオープン戦は2020年2月16日から3月15日にかけて開催が予定されていたが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって,2020年2月29日以降,72試合については無観客試合での開催となった(実際に開催されたのは中止またはノーゲーム11試合を除く61試合)。無観客試合とは,スポーツの試合において観客を入れずに試合を行う措置のことを指す。スポーツイベントにおける観客の影響について,観客の人数や密度を比較した分析はなされてきたものの,純粋に観客の不在の効果を分析した研究は少ない。そこで本研究は,プロ野球のオープン戦を対象に,通常の試合と無観客試合の成績を比較することを目的とした。通常開催された14試合と,無観客試合として開催された61試合(72試合のうち11試合は中止またはノーゲーム)を対象に,打撃成績が規定打席数以上(チームの試合数×3.1)に達しており,通常開催された14試合にも出場していた打者19名の成績を比較した。分析の結果,観客の有無による打者成績(安打数,三振数など)に統計的な有意差は認められなかった。

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