日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: JPAS-007
会議情報

日本心理学会企画シンポジウム
高校心理学教育のために心理学(者)は何をするのか
日本心理学会 教育研究委員会​高校心理学教育小委員会​市川 伸一楠見 孝大久保 街亜村野 光則池田 まさみ
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

この20年近く,日本心理学会(日心)は高校生に対する心理学教育の可能性を検討し,夏休みには高校生に向けた講座などを実施してきた。すでに,初等中等教育の教科によっては心理学的な内容が含まれているが,児童生徒はそれらを心理学とは認識していないと思われる。あらためて,心理学を組織的・体系的に取り扱い,人間理解や学習・生活の改善に生かしてほしい,また,大学等に向けて進路選択の一助としてほしいというのが意図であった。そして今,2つの大きな動きがある。一つは,日心としてインターネット上に心理学に関するコンテンツを充実させていこうという流れである。たとえば,大学生や一般社会人向けの解説「心理学ミュージアム」や,高校生講座のオンデマンド化がある。それらと連携協力する形で,高校生や高校教員が利用しやすいものにする方向性が考えられる。また,もう一つは,学習指導要領の改訂に伴って2022年から実施される高校の教育課程では,公民科の中の公共と倫理に,心理学的な内容がはいるようになったことである。これを機に,高校の各教科の中での心理学導入をさらに考えたい。本シンポジウムでは,「高校心理学教育小委員会」の委員である市川,楠見,池田に加えて,日心のコンテンツ充実の視点から大久保街亜氏,公民科を担当する高校教員の視点から村野光則氏に指定討論をお願いした。今後,心理学(者)は何をするのかを議論していきたい。

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top